桜色の恋 (龍と桜とロボットと。)
二人がいなくなったのを見送ってから、
口を開いた。


「...日和は...
いじめられてた」


 シン....

物音ひとつ聞こえなくなった
静かな倉庫に、俺の声だけが響く。


「何日も前から、そうだったらしい。

...今日、倒れてんのを見つけた...」










「っんでだよ!?」

どこからかそう声が上がった。





何でだ。
何でいじめられてんだ。
何で倒れるくらいまでになってんだ。
何で俺らは気付かなかったんだ。
あのとき笑ってたじゃねーか。



………何で……頼ってくんないんだ。




下を向く奴。

唇をかむ奴。

そっぽを向く奴。

顔をゆがめる奴...




日和の事を思っているのが
わかる。



こんなにも、
お前の事を慕っている奴がいるのに。

何で、
頼ってくんなかったんだよ...


日和.....
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