桜色の恋 (龍と桜とロボットと。)
誰も言葉を、音すら発しない部屋に
雨音が響く。
「…日和みたいだ……」
ふと聞こえた声。
反応したのは、
俺だけだったその声の元には
窓の外を見つめる卓也。
ゆっくりと顔を卓也に向けた。
何故だろう、
卓也の目が俺らとは違う気がした。
どこか希望をもったような…
意思が強くあるような……
なぜか俺らより、俺より、
上な気がして。
何かが、体の中で動いた気がした。
目がパッと変わったような卓也は、
ゆっくりと窓から立ち上がって。
スマホを動かしながら、
部屋を出ていった。
外から、誰かの声が聞こえる。
飛鳥か、卓也だろうか……
二人が、どこか先の遠くへと
進んで行ってしまったように感じた。
さっきから茫然としている涼と圭斗。
ふつふつと何かが、沸き上がってくる。
後悔、怒り、疑問………
そんな溢れそうな感情とは別の、何か。
日和を見る。
下からじゃ、見えないけど
腕が少し見えた。
痛々しい。
沸き上がってくる感情は
今にもコントロールが聞かなくなりそうで
ギュッと目をつぶって下を向いた。
負の感情と一緒に、
いや、それ以上に溢れだした感情。
きっと飛鳥も、卓也も、
これがあって今動いてるんだ。
ストン、と体に入った想いは
目が覚めたかのように頭を動かして。
動かなかった体が動いて。
止まらなかった感情をコントロールして。
どうしたらいいのか、考えだして。
また、日和に笑ってもらう。
あの、本当の笑顔は、たった一回。
また笑ってもらうには…………
宏明side end
雨音が響く。
「…日和みたいだ……」
ふと聞こえた声。
反応したのは、
俺だけだったその声の元には
窓の外を見つめる卓也。
ゆっくりと顔を卓也に向けた。
何故だろう、
卓也の目が俺らとは違う気がした。
どこか希望をもったような…
意思が強くあるような……
なぜか俺らより、俺より、
上な気がして。
何かが、体の中で動いた気がした。
目がパッと変わったような卓也は、
ゆっくりと窓から立ち上がって。
スマホを動かしながら、
部屋を出ていった。
外から、誰かの声が聞こえる。
飛鳥か、卓也だろうか……
二人が、どこか先の遠くへと
進んで行ってしまったように感じた。
さっきから茫然としている涼と圭斗。
ふつふつと何かが、沸き上がってくる。
後悔、怒り、疑問………
そんな溢れそうな感情とは別の、何か。
日和を見る。
下からじゃ、見えないけど
腕が少し見えた。
痛々しい。
沸き上がってくる感情は
今にもコントロールが聞かなくなりそうで
ギュッと目をつぶって下を向いた。
負の感情と一緒に、
いや、それ以上に溢れだした感情。
きっと飛鳥も、卓也も、
これがあって今動いてるんだ。
ストン、と体に入った想いは
目が覚めたかのように頭を動かして。
動かなかった体が動いて。
止まらなかった感情をコントロールして。
どうしたらいいのか、考えだして。
また、日和に笑ってもらう。
あの、本当の笑顔は、たった一回。
また笑ってもらうには…………
宏明side end