桜色の恋 (龍と桜とロボットと。)
「……」
何も言えない。
何もしてやれない。
そんな自分に
どうしようもなく自己嫌悪した。
「っ……ゃぁ…………っくっ…………」
日和の服は……
右側は胸から肩にかけて大きく切れ込みが入ってて、左側は脇腹のとこが裂けてた。
第二ボタンまでは引きちぎられてたし
スカートは切れ込みが何本か入ってた。
どこまで。
意味深なメールの文が脳裏をよぎる。
「っくっそ…………」
それから三十分もしないうちに
飛鳥が帰ってきた。
「大体は終わってる
こっちが優勢だけどまだ何人か立ってるし
完全にぶっ潰せるかはわかんないな」
完全に潰すなら犯罪の証拠を集めて
警察がいいけど、
今日だと全ての証拠が集まってるわけじゃない。
今までのように
しばらくの間おとなしくさせるくらいしかないのか……
いくつかの証拠をとって
解散しろと脅すか……ってとこか
「……」
チラリと目線を車の窓に送る飛鳥。
見つめられた目を斜め下にそらした。