桜色の恋 (龍と桜とロボットと。)
卓也sid



日和が、俺らのことを信用してなかった?

邪魔だと思ってた?


暇つぶし程度のつもりで、
もう飽きたからいらない…??


ソファに座ったまま呆然とする。





そんなふうに何も考えずに呆然とする自分の中に
違うと主張する声。






日和のこと、一番見てきた。

癖とか話し方とか表情とかをずっと気にしながら
心情を探ろうとしてた。

俺はそういうのが得意だから。
















『なぁ、わかってんだろ?』

なにがだよ。

『日和の癖、見つけてるくせに』


うるさい。


『最初に日和がスマホを見た時、
動揺してた。目が泳いでて。』

黙れ。

『不安になると
親指を中にして握りこむあの癖。
スマホを見た時だってしてた』

知ってるよそんなこと。
わかってる。見てたのは俺だ。




『左足。』


うるさい!!


『踵を浮かせたり、
ほんとに少しだけ、少しだけ引いたり。』


黙れ黙れ黙れ!!!!



『それは日和が』


分かってるそんなこと!!


『嘘をつく時にする癖。』


っ…

そんなこと、分かってる…


嫌がらせされてた時も作り笑いの時も。


その癖を見つけたのは、
見てたのは、他の誰でもない俺だっ…























_お前が俺らに本気じゃねぇなら、
俺はお前と関わろうなんて思わねぇ


響いていた声が消えて、
それに変わるようにパッと浮かんだ言葉。



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