月に一度のシンデレラ



そのとき、ひとつのドアが開いた。
かみの毛の長いきれいな女の人が出てきた。すごく背が高い。女なのに、担任の佐藤先生くらいの背の高さだ。

その女の人は、おれのことを見つけると、おどろいた顔をして言った。

「ぼく…。もしかして、ヒロくん…?」

なんでおれの名前を知っているんだろう。おれは泣きながらうなずいた。

「ヒロくんなのね…! こっちにいらっしゃい」

女の人が「おいでおいで」をした。
おれは、その女の人のことがちょっとだけ怖かったけど、どんどんトイレに行きたくなってきたから近づいて行った。

トイレに行きたくなかったら、きっと逃げていたと思う。でも、だって、もらすわけには行かないもんな。もう4年生になるんだから。
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