溺愛クルーズ~偽フィアンセは英国紳士!?~

「ジェイドさーん」
パタパタとスリッパの音を響かせながら部屋に戻ると、テーブルに数種類のチーズが用意されていて、ソファで目の下をほんのりと染めて眠っているジェイドさんの姿があった。
眠ってる。
よく見れば、ワインセラーから違う赤ワインも取り出したのか一本丸々空になっていた。このシャワーの短時間で、一本飲み干して眠っているなんて。

「お、おーい。ソファじゃなくてベットで寝た方がいいよー?」

遠慮がちに肩を揺さぶるけれど疲れているのか、起きる気配は全くない。
仕方なくベットからタオルケットを運んでジェイドさんへかける。
空調もしっかりしているから、風邪は引かないとは思うけど、やっぱり此処で寝ると疲れも取れないし心配だよ。


「ジェイドさん」
「ナホ」

一瞬起きたのかと顔を覗きこんだけど、しっかりと閉じられていた。

「ジェイドさん……?」

恐る恐る名前を呼ぶと、いきなり腕を掴まれバランスを崩してしまった。

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