溺愛クルーズ~偽フィアンセは英国紳士!?~


初日の、お互いを知らなくて苛々して擦れ違っていた日が遠い昔のように感じるけど、、たった一週間、いいや、まだ一週間経っていないんだ。

超フェミニストの彼の中身を知った今、ますます彼が分からなくなり――知りたいと思ってももう一日しかないんだ。


そんな思いを胸に仕舞い、早速船をまたうろうろする。
最初に訪れたのは、キッズランド。
子供たち用のアスレチックや玩具、託児所が配置されている中での、タオルアニマルを作るイベントだった。
昨晩、私がアニマルタオルに興奮し抱いて眠っていたのを覚えてくれていたんだと思う。

親子連れの中で、私と船長であるジェイドさんは目立っていた。

従業員さんも顔には出さないけど、にこにこと視線を感じる。
バスタオルが一家族一個ずつ配られて、教えてくれるお姉さんの元、二人で真剣に見入った。
説明は主に英語で、時折日本語や中国語と、三ヶ国語同時に説明していく。
今回は、比較的簡単な白鳥らしい。
高度になると、バスタオル数枚や、ハンドタオルも作れるらしい。
「って、ジェイドさんもコンシェルジュ時代があったから、作れるんですよね」
「ああ。だが、簡単なものなら誰でも作れるから安心しろ」

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