溺愛クルーズ~偽フィアンセは英国紳士!?~





ピアニストが静かに上品なクラシックを奏でるレストランの中で。
私はロボットのように緊張して歩く。
海外で見たことはある女優や政治家、日本でも有名な映画監督や芸能関係者など層々たる方々が談笑しながら、豪華なディナーに舌鼓を打っている。

きらきらと輝いていると同時に、息が詰まるような、緊張で美味しいご飯の味さえも分からない夢の様な時間だった。
できたら、やっぱ部屋で食べたほうが落ちつく。

ジェイド船長の婚約者だと薬指の指輪が主張するので、注目を浴びていたし英語で話しかけられたり。

それを上手にジェイドさんが自分の話をすり替えてくれたけど。

彼は休暇中だったけど制服を着たから、何人かに挨拶をしたりワインを継いだり継がれたりしていた。

人望があるのは見て分かったし顔が広いのも分かったけれど。

そんな大事なキャストの方々に私を婚約者だと偽っていいのだろうか。
彼の信用問題に関わらないのかな?


部屋に帰ってからも、バルコニーで靴を脱いでぷらんぷらんと足を投げ出しながら、そんな疑問が浮かぶ。
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