純情喫茶―恋する喫茶店―
そんな笙の様子に、
「何か知っているんですか?」

明菜が聞いてきた。

「ねえ、姉さん。

確か…俺たちが小学生の頃に、父さんと母さんの親戚との間で揉め事が起こったのを覚えてる?」

笙は玲奈に声をかけた。

「覚えてるけど、どうしたの?」

玲奈は訳がわからないと言うように首を傾げた。

「その揉め事の内容って、今でも覚えてる?」

そう聞いてきた笙に、玲奈は頭の中にある古い記憶を引っ張り出そうとした。

「――確か、お金がどうたらこうたらで…って、ええっ!?」

玲奈は手で口をおおった。

「何があったんだよ?」

驚いた様子の玲奈に、谷木が聞いた。

「それと今回の件で何か関係が?」

明菜も一緒になって聞いた。
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