こっちを向いてよ、ダーリン!
けど、どうにも止められない。
「まだ3回忌も迎えていないのに、忘れちゃうなんて……ヒドイよ」
違う。そうじゃない。
早く忘れてほしいと願ったのは、他でもなく自分のくせに。
ママを忘れて、私じゃない別のヒトに気持ちが傾くことが悲しいんだ。
いつか離れなくちゃならないときが来ることを恐れて、いつだって臆病で。
でも強く願えば、未来の圭くんは私をちゃんと女として見てくれるかもしれないと思ってた。
ううん。そう思いたかっただけ。
無理なことは、心のどこかで分かっていたのだ。