こっちを向いてよ、ダーリン!
「そうか。それじゃ今は飲まない方がいいな」
先生の手がすっと伸びて、私の額に触れた。
冷たくて気持ちいい。
「熱はなさそうだな。いつから具合が悪かった?」
「一週間くらい前からです」
「そんなに前から?」
「寝不足が続いちゃって」
チラついた圭くんの顔が、胸の奥をチクリと地味に突き刺す。
「睡眠は健康の基本だ。しっかりとらないとダメだぞ?」
「……はい。あの、先生、次の講義が始まる前に起こしてもらえますか?」
「分かったよ。それまでゆっくり休むといい」
先生はニッコリ微笑んで、カーテンを静かに閉めた。
ゆっくりと瞼を閉じる。
真っ暗な闇の世界に浮かび上がるのは、またもや圭くんの顔。
頭を振って追い出そうとすると、こめかみがズキズキと痛んだ。
お願いだから、少しの間、顔を出さないで。
強く念じて、瞼に力を入れた。