夫婦の定義──君が僕のすべて──
「子供、欲しくないの?」

マユは不思議そうに尋ねる。

「うん…欲しくないって言うか…。レナが望まないなら、オレもそれでいい。二人っきりで歳を重ねて行くのも、幸せかなって思ってる。」

「えっ?!レナが、って…どういう事?」

「いや…これがオレたちらしい夫婦の形なら、それでいいんだ。それに、オレがいい親になれるとも思えないし…。」

マユの出産に居合わせた事や、その後の妊婦さんと赤ちゃんの事があって、レナが妊娠と出産への不安を募らせている事は、マユには言えないと思い、ユウは言葉を濁す。

「片桐…。なんか隠してるでしょ?」

「いやいや…。」

「隠してるでしょ?」

マユに問い詰められ困った顔をしているユウを見て、シンヤが呆れたようにため息をつく。

「ユウは隠し事ヘタ過ぎる。」

(この二人にはかなわないな…。)


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