夫婦の定義──君が僕のすべて──
「レナちゃん、大丈夫?!」

直子に声を掛けられ、肩を揺すられてレナは目覚めた。

頬には涙がいくつもの筋を作っている。

“あ…夢…”

「レナちゃん、うなされてた…大丈夫?」

直子がレナにタオルを手渡す。

レナはタオルで涙を拭きながらうなずいた。

(なんて夢…。ユウが他の人と結婚式を挙げて…幸せそうに赤ちゃんを抱いて…私に“さよなら”って…。)

でも、ユウが幸せになれるならそうなってもいいと、レナは確かに神に祈った。

(そうか…私が教会で祈ったから…。)

ユウが幸せになれるならと思っていたはずなのに、夢でさえこんなにつらくて悲しい。

(ホントは、ユウとずっと一緒にいたい…。他の誰かのところに行って欲しくなんてない…。怖いけど…やっぱりユウと家族を作りたい…。だって私は…ユウを愛してる…。)


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