夫婦の定義──君が僕のすべて──
枕元に置いたスマホが着信を知らせる。

(ユウだ…。)

「もしもし…。」

「レナ、終わったよ。遅くなってごめんな。」

ユウの優しい声に、レナは微笑んだ。

「ううん、お疲れ様。ライブ、観てたよ。すごくかっこよかった。」

「そっか…ありがと…。」

ユウが照れ臭そうに呟く。

「急に電話が欲しいなんて、どうかした?」

「ううん…。なんとなく、ユウの声がすごく聞きたくなっただけ。」

レナが答えると、ユウはおかしそうに笑う。

「毎日会ってるのに?」

「うん…。」

「レナと電話で話すの、久し振りだ。」

「そうだね…。ずっと声が出なかったから。」

「うん。なんか新鮮。」

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