夫婦の定義──君が僕のすべて──
「赤ちゃんにも体格の個人差がありますし…。それに、無事にお生まれになったことと、事前に伝えられていた性別をきちんと確認してからの方が良いと思いますよ。出産のお祝いは、少しくらい遅くなっても大丈夫ですから。」

(それって…。)

「そういうもの…ですか…?」

「そうですね…。ご準備なさるのは、それはそれで悪くはないんですが…。お産と言うのは、何があるかわからないものですから。」

「なるほど…。じゃあ…また、赤ちゃんが生まれたら改めて買いに来ます。」

「ハイ、お待ちしております。」


店員に見送られて店を出たレナは、がっくりと肩を落とした。

(あんなに悩んで決めたのになぁ…。)

悩みに悩んで決めたのに、と言う思いももちろんあるが、店員の言葉には重みがあった。


“お産は何があるかわからない”


“無事に生まれたことを確認してから”


(妊娠も出産も経験のない私には、どれくらい大変かわからない…。なんか…急に不安になっちゃうな…。)


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