雷獣
ガラガラ。
「ま、そっちにかけて」
先生が言った手前に座った。
「寒すぎるな、いま暖房かけるわ」
ピィ ピピ
エアコンがゴーっと音を立てながら動く出す。
「まずは退院おめでとう。」
「ありがとうございます。」
「篠崎が眠ってからとりあえず”休学”って扱いでいま欠席になっている。」
「え?退学なんじゃないんですか??」
「いや、おじいさんから退学じゃなくて休学って扱いにしてほしいって連絡が来てるんだけど.....間違いか?」
「いえ、休学扱いになってるならそれでいいです」
休学より退学の方が手続き簡単だろうし、おじいさまはそっちを選んでると思ったから拍子抜け...。
「で、いまは12月6日、覚えてないかもしれないけど今日をいれてあと4日後から2学期の期末が始まる。」
「え?....マジですか?」
「マジだ。で、篠崎は記憶がないうえに試験範囲の勉強はしてない。」
「絶望的だ。」
入院中に4月からの勉強の復讐は先輩達に教えてもらっって何とか追いついたけど
それでも1ヵ月ちょいで9月までの勉強を復習したのにも詰め込んでパンク寸前だったのに...。
「かといって篠崎1人の為だけにテストは変えられないし」
「けど、日ごろの行いが良かったな、校長も配慮をしてくれるみたいで
当日みんなと同じ教科のテストは受ける、そしてテスト最終日に篠崎だけ全教科のテストを返す。帰ってきたテストの答案を教科書などを見て間違っている部分は覚えなおす。その後各教科の先生方が25点満点のミニテストを作ってくださる、期末テストとミニテスト2枚合わせての合計点数で判断するようだ。」
特例らしいからな、と小声で言ってくる先生。