雷獣

「階段で降りてきたの?」

「はい、私が乗ろうとしたの拓哉先輩の階にいったんでしょうがなく~」

「え!?ごめんね」
拓哉先輩が焦って言ってくる

「いや、嘘ですよ。朝はエレベーターラッシュだから基本来ないんで階段で降りてます。来ても乗れないことも多々あるし。」

「なんだ、そうなんだ」
ホッとした様子の拓哉先輩。

一緒に学校へ向かいながら先輩に聞く

「あの後みんなはどうしたんですか?」

「あの後?さすがにテストは受けなきゃだしね
制服はさすがに家にあるからみんな帰って行ったよ。」

「そうなんですね」
寒いね~と言う拓哉先輩は
紺のブレザーに白Yシャツにえんじ色のカーディガン薄いグレーの淡い水色と濃い青のチェックのズボンネクタイは赤と黒のストライプをしていた。

「入院中も思ったんですけど、拓哉先輩も制服のレパートリーかなりありますよね?」

「え?うん、まぁ制服って今しか切れないしこんなに自由なら着たいものもの着ようかなって思ったからね」

考えが私と同じでなんだか嬉しくなった。

「今度見せたいものがあるんだよね」

「何ですか?」

「ん~、試験が終わってからのお楽しみね」
そう話しながら学校に到着。

「じゃ、またね」
学年別の下手箱で拓哉先輩とはわかれた
< 120 / 288 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop