雷獣
温室を抜けると1枚のドアがあり出ると目の前に黒い車が止まっていた。

「車なんだてっきりバイクかと思った」
「んなわけあるかよ、第一駅で倒れたとき車でここまで連れてきたんだから」
「あ、そっか。なんか縛られてバイクで運んでもらったかと思った」
「そんな乱暴しねーよ、俺らを何だと思ってるんだよ」
「不良??」

素直に言う雪を見て豪快に笑う朔
それにつられて笑う雪
まだ薄暗い空の下に笑い声が響いていた。

「あー、笑った笑った。早く乗れ」
「うん」
そういい後部座席に乗り込む雪

「んで、どこの駅まで送ればいいんだ?」
紫雲(シウン)駅なんだけど」
「おっけー」
車は静かに出発した。

駅に着くまで朔と話し込んで自分が落ち込んでいること忘れていた。
ほどなくして駅につき朔が家まで送ると言ってくれたけど
拓哉達とばったり遭遇したら心配をかけちゃうから断った。

「んじゃまたな」
「うん、送ってくれてありがとう!」
「おう」
手を窓から出してひらひらさせながら朔は帰って行った。

”またな”って言われたけど次会うことなんてあるのかな?

なかなか見ることのない静かな待ちを1人で歩く。
いつも誰か傍にいてくれたからなんだか不思議な気持ち。
痛くなるような冷たい空気とシーンとした街の雰囲気がなんか好き。

拓哉達に会うことなく部屋に戻ることができた。
車で送ってくれたからぎりぎり間に合う時間だけどシャワーだけはさすがに寒いと思いお湯をためる。
お湯がたまるまで紅茶をいれソファーで一息をつく。

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