俺様御曹司の悩殺プロポーズ
慌てる中村アナの隣で、私も焦っていた。
彼女のコーナーが廃止され、代わりの新コーナー担当が、私……。
女子アナとしての力量の差は歴然なのに、後釜が私って……
なんて無謀なことを……。
頭の中に浮かんだのは、前に風原さんに言われた台詞。
『いつかスタジオ内での1コーナーを持たせてやる……』
そんなことを言われた覚えがある。
もしかして今回のことも、風原さんが一枚噛んでいるのだろうか……?
そんな疑念を抱いてしまった。
楕円形の会議用テーブルで、私と風原さんはちょうど対角にいた。
風原さんを見ていると、向こうも私の視線に気づいて、目を合わせてきた。
机に両肘をついている彼。
組み合わせた指で口元が隠されているが、
目の表情に反して口元だけは、ニヤリと笑っている気がした。
冷や汗を流す私と、ほくそ笑む彼。
ぶつかっている視線を先に逸らしたのは、私だった。