俺様御曹司の悩殺プロポーズ
それから……
彼は佐川アナの耳元に口を寄せ、何かを囁いている。
途端に、佐川アナの頬が赤く染まった。
顔を離した風原さんの方を見て、絶句してから、
あの佐川アナが、照れたような笑みを口元に浮かべていた。
その様子を見て、私の手からボールペンが滑り落ち、机に転がった。
何その反応……。
風原さんは何を囁いたの……?
すっごく気になるんですけど!!
その後すぐに解散となり、みんな忙しそうに会議室を出て行った。
佐川アナも、さっきの険悪さはどこへ行ったのかという笑顔で、
風原さんと楽しげに会話しながら、出口に消えて行く。
与えてもらった新コーナー『スイーツ探偵』より、
二人の様子が、気になって仕方ない。
「お疲れ様でしたー!」と中村アナにおざなりな挨拶をして、
私も後を追うように、会議室を出ようとした。
なぜか中村アナから、挨拶の言葉は返ってこなかった。
彼女は座ったまま、動こうとしない。
あれ、何だろう?
背中にチクチクした何かを感じるけど……ま、いっか。
そんなことより、風原さんと佐川アナ!
頭の中は風原さんでいっぱい。
私には、他のことまで気にしている余裕がなかった――。