俺様御曹司の悩殺プロポーズ
 


大丈夫。笑えているし、心も落ち着いている。


風原さんが隣にいてくれることで、大きな安心感に包まれていた。



「朝採りニュースです」


風原さんの言葉で、大型モニターにニュースのVTRが流された。


まず初めに読むのは、風原さん。

ニュース向けの聞きやすく感情を抜いた声で、テンポ良くニュースを読み上げていく。



「愛知県警は昨日午後、名古屋市の女子大学生、花野花子さん20歳の殺害に関与した疑いで――」



朝採りニュースは、一つが30秒から40秒くらいの短い物。

それを二人で交互に読み合い、テンポを大切にしている。



一つ目のニュースを風原さんが読み終えると、すぐにVTRが切り替わり、私の番になる。



大きく息を吸い込み、昨日の練習を思い出しながら、初見の原稿に挑んだ。



「伊部総理大臣が一週間の外遊を終え、28日午後に帰国しました。出迎えた記者らに向け、伊部首相は――」



読み始めてすぐに、カメラに映らないテーブルの下で、

風原さんの片手が私の太ももの上に置かれた。


トン、トン、と指先でリズムを取ってくれている。


読むのが少し速かったのかも……。


正しいリズムを太ももの上に刻んでもらい、

そのリズムに合わせて無事に一つ目のニュースを読み終えた。



< 299 / 452 >

この作品をシェア

pagetop