俺様御曹司の悩殺プロポーズ
大丈夫。笑えているし、心も落ち着いている。
風原さんが隣にいてくれることで、大きな安心感に包まれていた。
「朝採りニュースです」
風原さんの言葉で、大型モニターにニュースのVTRが流された。
まず初めに読むのは、風原さん。
ニュース向けの聞きやすく感情を抜いた声で、テンポ良くニュースを読み上げていく。
「愛知県警は昨日午後、名古屋市の女子大学生、花野花子さん20歳の殺害に関与した疑いで――」
朝採りニュースは、一つが30秒から40秒くらいの短い物。
それを二人で交互に読み合い、テンポを大切にしている。
一つ目のニュースを風原さんが読み終えると、すぐにVTRが切り替わり、私の番になる。
大きく息を吸い込み、昨日の練習を思い出しながら、初見の原稿に挑んだ。
「伊部総理大臣が一週間の外遊を終え、28日午後に帰国しました。出迎えた記者らに向け、伊部首相は――」
読み始めてすぐに、カメラに映らないテーブルの下で、
風原さんの片手が私の太ももの上に置かれた。
トン、トン、と指先でリズムを取ってくれている。
読むのが少し速かったのかも……。
正しいリズムを太ももの上に刻んでもらい、
そのリズムに合わせて無事に一つ目のニュースを読み終えた。