俺様御曹司の悩殺プロポーズ
わたぬき!
そうだ、わたぬきと読むんだ!
理解した後は、急いで原稿の続きを読む。
きっと視聴者からしたら、読むリズムが少し崩れたと、それくらいにしか感じないだろう。
私が読めないことに、いち早く気づいて教えてくれた風原さん。
いつも個人指導をしてくれている彼だからこそ、瞬時に気づくことができたのかも……。
「以上、朝採りニュースでした」
全てを無事に読み終え、風原さんがコーナーを締めくくる。
締めくくりながら、「よくやった」と言うように、
温かい手の平が、ポンポンと二回太ももを叩いて離れて行った。
ホッとした後は、胸に感謝の気持ちが込み上げて、涙腺が緩みそうになる。
全ては風原さんのお陰。
風原さんに励まされ、支えられて、何とか佐川さんの代役を勤めることができたみたい――。