俺様御曹司の悩殺プロポーズ
 


風原さんは二重円の内側の、私の対極にいた。


彼も一仕事終えた後のリラックスした表情で、隣のスタッフさんと言葉を交わしている。



雑談も許される、和やかな雰囲気の反省会。


でも、それだけで終わってはくれなかった。


私達全員を褒めてくれた制作サイドのお偉いさん、チーフプロデューサーが、

幾分声を鋭くして、こんなことを言い出した。



「今日の放送については先に言った通り、褒めるより他に言葉はないが……、

一つ、気になることがあったので、説明してもらいたい。


風原くん。

君に限ってまさかとは思うが……特定の女性関係者と、必要以上に親しくしているわけではあるまいね?」




チーフプロデューサーのその言葉に、私はギクリとし、

スタジオ内の和やかさは消えて、空気が一気に冷えた。



ストレートな言い方ではないが、それは風原さんと私の関係を疑うものだとすぐにわかる。



代役を終えた安心感で忘れそうになっていたが、

こんなことになるんじゃないかという予感は、チラリとしていた。



怪しまれるのは、当然といえば当然。

CM中のセットのど真ん中で、抱きしめられてしまったし……。



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