俺様御曹司の悩殺プロポーズ
 


背中に冷や汗が流れ落ちる中、以前、風原さんに言われた言葉を思い出していた。



『モーニング・ウインドで共演している間は、期待する言葉を言ってやれない――

爽やかな朝の番組の陰で、何をやっているのかと視聴者に疑われ――

自分の番組を汚すわけには――』




私達はまだ恋人ではないし、キスより先の関係もない。


それでも全くの他人とは言えない関係で、

彼は私との些細なことも、隠さなければいけない立場。



それなのに……どうしよう……。



スタッフさん達の視線が、私と風原さんの間を行ったり来たりしていた。



「風原くん、どうなんだ?」



チーフプロデューサーは、彼を問い詰める。



もう半分バレているような物で、私は青ざめるしか出来ないけれど、

風原さんは違った。


爽やかで誠実そうな、表向きの微笑みは崩れることなく、

皆が注目する中で、堂々とこんな返しをした。



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