俺様御曹司の悩殺プロポーズ
 


あちこちから「良かった」と安堵する声が聞こえて、拍手が沸き起こった。



風原さんは報告してくれた女性スタッフを捕まえて、

「これからお見舞いに行きたいのですが、入院先は?」

と聞いていた。



反省会はこれで終了となり、わらわらと動き出したスタッフさん達。


人混みを掻き分け、私は風原さんに近づいた。



「あの、私も佐川さんのお見舞いに行きたいです。一緒に……」


一緒に連れて行ってと言いたかったのに、全てを言わない内にダメだと言われてしまった。



爽やかな微笑みを浮かべる風原さんに、たしなめられる。



「私は立場上行かないわけにいきませんが、大勢で押しかけるのは、彼女の迷惑になってしまう。

それに……深い仲なのかと疑われたばかりだから、日野さんは大人しくしていて下さい」



表向きの喋り方で、爽やかな笑顔で、そう言った風原さん。


その目だけは笑っていなくて、

「良く考えろ。お前は馬鹿か」

と、私に言いたそうだった。



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