俺様御曹司の悩殺プロポーズ
後部席で首を傾げていると、
「さっさと下りろよ」
と言われた。
住んでいるマンションまで送ってくれた風原さん。
なぜか荷物を持ち、彼も車から下りている。
なぜ?と思うことは、まだあった。
車は来客用スペースではなく、番号のふられた誰かのスペースに駐車されている。
私が下りると、彼は車をロックした。
知った顔して駐車場を歩き、階段を上がってそのまま、マンションのエントランスに入って行く。
慌てて後を追いながら、疑問を尋ねようとした。
「風原さん!」
「ん? 何?」
返事をしながらも、彼は速い歩調を緩めてくれない。
エントランスにはカウンターがあり、コンシェルジュが24時間対応してくれる。
35歳前後の綺麗なお姉さんが、ニッコリ笑ってお辞儀をし、彼に言った。
「お帰りなさいませ、風原様」
お帰りなさい?
と言うことは……。
私がこのマンションに住んでいる理由は、「ここに住め」と局に言われたから。
家賃は一月5万円。
コンシェルジュ付き高級マンションなのに5万円なのは、
残りの家賃を桜テレビが払ってくれているせい。
たった5万円で高級マンションに住めて、それはラッキーだと思っていたが……
もしかして、これにも風原さんが一枚絡んでいるのだろうか?
驚くことに彼も、このマンションに住んでいるようだし……。