迷い羊に連れられて
「そう。それなら良かったわ。今のその言葉で私を振ったってことでいいのよね?」

「そうです。」

「分かったわ。....そんなこと言えるなんて羨ましいわ。今思えば、彼は私に下心しか持ってなかったもん。」



そうだったのか......。



「ごめんね。長々と付き合わせてもらって。ちょっと人肌恋しかったの。高宮先生ならいけるかもって.....失礼だよね。」



少し目に涙を浮かべてそう言い、去っていった。


慰めてもらうために俺をよんだはずなのに、余計傷口をえぐるようなことしてしまい、俺の方こそ失礼なのに。



そう思いながら駅に向かった。
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