迷い羊に連れられて
ちらっと見ると野々瀬が缶ジュースを開けるのに苦戦していた。



(.......か弱いなあ。)



「野々瀬、ほら貸して。」


カチャ


「ありがとうございます!」



中田が、俺に頼めばよかったのにと言わんばかりの顔をしていいた。

中田が野々瀬のことを好きなのは明らかなんだけど、野々瀬がどう思っているのか分からない。



「あまり遅くまで残ると文化祭に体力残せなくなるし、ほどほどにして帰りな。じゃ。」



もし野々瀬も中田のことが好きなら......





俺は邪魔するつもりはない。
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