迷い羊に連れられて
ゆっくり歩いていたせいで、気づいたら他の人たちとだいぶ距離が離れていた。



「ずっとね、後悔してたんだ。あの時ああしてれば今でも続いてたんじゃないかって。...私たち、もう一度やり直さない?」



麻美がそう思ってたとは意外だ。

てっきり、俺みたいなガキと一緒にいたくないのだと思ってた。

未練がなかったわけではないが、もう復縁できないと感じていた。

大学時代の頃から更に大人っぽくなった顔で、麻美は真剣そうに俺のことを見つめた。
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