告白作戦っ!
告白作戦?
「じゃあ、37回目の練習をやるよ」


「は、はい」



沙耶ちゃんの顔つきがだんだんきつくなってくる。




36回練習して一度もきちんと言えたことがないのだ。





「いい? 野乃葉を草壁君だと思って感情込めてやるの」


「わ、わかってる」


「はい、じゃあスタート」




「あのう、私は百瀬柚衣と言います」


「何か〜用ですか〜?」


「実は昨日、廊下でぶつかったのは私なんです」


「何だって〜」


「ごめんなさい。わざとぶつかってしまいました」


「どういうことだい〜」


「私、草壁君のことが好きなんです。いえ、好きと言うよりあ、あ、あい、あい、あいうえお・・・」




「カット!」



沙耶ちゃんが大きな声で言う。



「どうして『愛してます』のところになると言えなくなるの?」


「恥ずかしいからかな? どうしても言葉が出てこないの」



私は指をもじもじさせながら答える。

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