隣の席の君
教室の片隅で

隣の席


あのファミレスから

私は嵐君とも明君ともよく話すようになった


クラスメイトは驚いてたし

相変わらず…

特に嵐君には関わろうとしてないみたい


彩には

「やっぱ愛梨には関係なしだね」

そう言われたけど

意味がよくわかんない


聞いても教えてくれないんだよね…



嵐君は話しかけても

「おう」「ふーん」
「あっそ」「でっ?」「別に」

こんなのばっか


たまに長い言葉が出る事があっても

基本は素っ気無いまま



今は英語の時間


「ねぇ嵐君って話しかけられるの苦手?」

「別に」


別に…か

まぁ嫌がられてはないよね?


口数少ないし素っ気無いから
余計に誤解されるんだろうな


考え事をしながらノートを書き写した


「ぶっ…」


隣で笑いを堪えてる嵐君

初めて見た


「おまえさ~ここ綴りおかしいだろ
ここはZでSじゃねーよ」


慌てて黒板を見た


本当だ…恥ずかしい


「中学生でも間違えないぞ…くっくくくく」


笑いを堪えてる嵐君はすごく穏やかそうだった



いつもこんな顔をしてればいいのに…

思わず見つめてしまった


「穴開くし!!」

あっ元に戻っちゃった…


嵐君に見つめられて恥ずかしくなって
視線を外してノートに目を向けた
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