隣の席の君

両親

蒼兄達も無言のまま壁にもたれてた


バタバタと足音が聞こえて
嵐のご両親が来たのだと思って
人影に目を凝らした


「愛梨!!」


パパとママ…

忙しいのに来てくれたんだ


「蒼登から連絡貰って…嵐君はどうだ?」


「出血が多すぎて…意識がない
後は本人次第だって」


涙を流し続ける私の代わりに蒼兄が答えてくれた


ママが優しく抱きしめてくれる


「嵐君ならきっと大丈夫よ」


温かくて…張り詰めていた糸が切れたように
声を出して泣き続けた



声が小さくなった時
パパが口を開いた


「嵐君のご両親は?」


「あっ…仕事の都合で…」


明君が答えた時、パパが一瞬渋い顔をした


「そうかい
でもどうしてこんな事に?」


パパに3人が説明している間
ママはずっと背中を擦り続けてくれた



廊下にあるベンチに座って
時間が過ぎるのを感じる



どれぐらいそうしていたんだろう…


たぶん2時間は経っていたと思う


廊下に2つ人影が見えた

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