ショータロー☆コンプレックス2
困ったように、オレと辻谷に交互に視線を配るその様子に内心申し訳ないと思ったけれど。


瑠美ちゃんの目の前で奴の手を借りるのはどうにもこうにもシャクだったので、オレは彼女を促すように、強引に歩き出した。


「……今日はホント、悪かったな、ショータロー」


辻谷の横を通りすぎようとした所で、声をかけられる。


その穏やかな口調に思わず足が止まった。


「でも、良かった。知り合いの家で面倒見てもらえるなら安心だな」


視界の端でその様子を捉えつつも、意地でも視線を合わせないように、微妙な角度に顔を傾けながら、オレは黙ってその言葉を聞いていた。


すると辻谷は今度は瑠美ちゃんに向けて言葉を発する。


「えっと、ルミちゃん…だっけ?悪いけど、ショータローのことよろしくお願いします」


「あ、はい」


『何だよお前にお願いされるスジアイなんかねーよ。つーかどさくさに紛れて【ルミちゃん】なんて気安く呼ぶんじゃねーよ』とか思っている間に辻谷は踵を返すと、そのまま足早に立ち去ってしまった。


自分が拒絶したくせに。


さっきまで、どうしようもなく憎たらしく思っていたハズなのに。


立ち去るその足音が、何だかやけに淋しそうに耳に響いて来て…。


オレの胸はちょっとだけ、罪悪感に苦しめられた。
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