モテKingのターゲット


「おっ、女遊びを………卒業して下さいっ」

「…………え?」

「彼女を作るなとは言いません!ただ、誰でも構わず手当たり次第に遊ぶのは良くないですっ!その気になった子が、ストーカーにでもなったらどうするんですか?」

「あぁ、なるほど。………ん、それは一理あるな」

「遊びたい年頃なのは解ります。女の子と、その………そういう行為をしたいお気持ちも理解出来ますが、やっぱり、本当に好きな子が出来た時に辛い想いをするのは、周さんですから」


俺の瞳を真っ直ぐ見据えて、真剣に語りかける蘭。

そんな風に俺の事を見ていたのかと思うと、何だか胸が熱くなる。


だから、自然と言葉に出ていた。


「分かった」

「え?」

「蘭の条件を呑む」

「ッ?!」

「その代り、蘭も俺の言う通りにしろよ?」

「ほ、本当ですかっ?」

「あぁ、この場で誓う。彼女以外、もう抱かない」

「っ……!!そんな事、一言も言ってませんよ」

「違うのか?」

「……………ち、違いませんけど………」


俺があからさまに『抱かない』と言ったモノだから、蘭は照れてしまった。

ウブで可愛いヤツ。


< 144 / 168 >

この作品をシェア

pagetop