いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。


どうして春斗は、いつも私が欲しいと思っている言葉をくれるんだろう。


「……ありがとう、春斗」


泣いているのがバレないように、私はそっと微笑みを漏らしながら言う。


そしたら春斗は、


『もう一回、空、見てみなよ』


って、私に言った。


だから私はさっきと同じように、顔を上に向けて夜空を見上げる。


『……俺は、この空にある星の数だけ、ううん。ここにある星の何倍も、心咲を愛してるよ』


きらめく星たちを眺めていると、耳元で聞こえた春斗の優しい声。


それは、私が春斗と付き合い始めるときに言われた言葉と全く同じ言葉。


頭の中に、今まで春斗と過ごした日々がよみがえる。


確かに、泣いたこともあった。


だけどね、私の中でよみがえる春斗との思い出は、楽しいことのほうが圧倒的に多いんだ。


ねぇ、春斗。


あの日、数多くいる生徒の中で、私を見つけてくれてありがとう。


私を、春斗の彼女にしてくれて。


本当にありがとう。


私はそれだけで、幸せだよ───。


< 247 / 271 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop