月下美人が堕ちた朝
スバルは、あの日から今日までの二年間、このジッポとあのリングを肌身離さず持っていてくれたのに。
忘れたの?
置いていったの?
それとも、最初から気に入らなかったの?
リングはどこかに捨てたのかしら?
ダメよ。
あたし、頑張ったんだもん。
大切にして。
愛していてよ。
側に居させて。
あたしは右手の中のジッポを、思いきり窓に投げつけた。
鈍い音が部屋中に広がり、全ての終りを知らせているようだった。
「全部壊れちゃえば良いのに」