月下美人が堕ちた朝

それには、リンカを連れて行ったディズニーランドで、スバルに買ってもらったキーホルダーがついてる。

「これ、お前に似てんじゃん。
鍵につければ?」

手渡されたのはチップとデールのキーホルダー。

あたしは否定したけど、リンカも「にてる!にてる!」とハシャイでいたっけ。

結局リンカにも同じキーホルダーを買い与え、スバルがしゃがんでバッグにぶら下げた。

「落とすなよ」

「おとさない!」

指切りをして、リンカは続けて言った。

「スバルにぃちゃん、リンカがおっきくなって、シンデレラになったらむかえにきてくれる?」

「うん、良いよ」

可愛らしい約束を、あの二人は覚えているのだろうか。

スバルはリンカを愛していたし、リンカも本気でスバルを愛していたのに。

今ではただの笑い話だ。

「あたしだって愛してたのに」
< 36 / 196 >

この作品をシェア

pagetop