明日を迎えられない少女は何を望んでいたのだろうか。
「そのお菓子はなに?」

 私が両手に持ったお盆の上にはケーキや和菓子などのお菓子が乗せられていたのだ。

これはさっき優香の母親から渡されたものだ。

優香の母親は自分では渡せないからと私に優香に食べさせるようにと頼んでいた。

「お昼ご飯食べていないから少しでも食べられたらと言っていたよ」
「そっか」

 優香はその言葉を聞いて、少し微笑んでいた。

 私は迷ったが、明香の話を切り出した。

彼女もそれを聞きたくて、私を家にあげたのだろう。

「古賀さん、すごく怒って、辺りの人の当り散らしていたよ」

「だよねえ。やばいなあ」

「何でそんなことをメールでやり取りしたの?」

「明香と一緒だとおいしいんだよね。でも、時々やりすぎることもあって、影でいろいろ行っていたんだ。由紀は中学の時から仲良いし、心を許せたっていうか」

「時々、ね」

 私の言葉に優香はびくりと体を震わせた。
< 57 / 193 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop