明日を迎えられない少女は何を望んでいたのだろうか。

「芽衣の件はやり過ぎたと思っているよ。そうしないとあんなメール送らないもの」

「それって彼女が亡くなったからなんだよね」

　私の言葉に優香は黙り込む。図星なのだろう。

「永田さんをいじめたのは、やっぱりメールの内容なの？」

　優香は首を横に振る。

「はっきりとは分からないけど、私たちはそうじゃないかと言っていた」

「あの二人付き合っていたの？」

　優香は頷く。

「夏休みに二人で一緒にいるのを見たの。二人で手を繋いでデートしていたんだって。永田さんっていい子ぶっているし、好きじゃないけど、見た目は正直お似合いだったし、明香さんも諦めると思っていたのに、まさかああいうことを始めるなんて予想外だった」

　噂は本当だったのだ。だが、私には彼女の主観をおいておいても、ぴんと来ない。

「そんなことで、あそこまで陰湿な事をするの？」

「それは大事な物の基準が違うのよ。明香さんにとっては恋愛が何より大事だったんじゃないかな。それに、明香さんに逆らうと私がいじめられるもの」

　私は溜め息を吐く。

「なんでそこまで古賀さんに何も言えないのかな」