くすんだ街
「・・・・・・疲れた」


スグルは座席に体を預けて呟く。
女性はそんなスグルの髪を撫でながら

「ありがとう・・・・・・私を連れ出してくれて・・・・・・」

と言った。
スグルは微笑み、体を彼女のほうに向ける。


「お礼を言うのは僕のほうです。あなたがいなかったらきっと・・・・・・」


そこまでいって、スグルは言葉を止めた。

女性が不思議そうにスグルを見つめてくる。

スグルは少しはにかみながら口を開いた。
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