一つだけ願いが叶うなら
沙『奥様?』


愛『あ、すみません…。沙羅さん零央を幸せにしてあげてください。』


沙『え…?』 


愛『分かっていました…。

零央に大切な人がいることは。

こんな日がくることも。

零央の幸せを私は一度奪ってしまった。

二度も奪いたくはない。

政略結婚という鎖に零央を縛り付けしまっていた。

だから…沙羅さん…零央を幸せにしてあげてください。

よろしくおねがいします。』


私はそう言って電話切った。

その瞬間私の携帯が鳴った。


零央からメールが来ていた。


ごめん。遅くなる。


そんな内容のメールだった。
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