一つだけ願いが叶うなら
この日も大好きな社長に会えることを嬉しく思いながら、書類を持って社長室に向かっていた。

でも社長室の前に来た時、話し声が聞こえてきた。

社長ともう一人の秘書の萩原空との会話が。

私は、萩原空が苦手。
なんでも見透かされているようなあの目が苦手だ。


私は、社長室から漏れてくる二人の会話を耳を澄ませて聞いた。


空『零央、愛叶ちゃんとは最近どうなんだよ?』


零『相変わらずだ。』


空『お前、まだ冷たくしてんのか?

奥さんだろ?

愛叶ちゃん、可哀想に。

離れてっても知らねーぞ。』


零『分かってる。

愛叶を傷つけてることぐらい。

でもどうしていいか分かんねー。

好きすぎて分かんねーんだ。』
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