一つだけ願いが叶うなら
諦めなくないという気持ちがいつからか奥さんへの嫉妬に変わって、奥さんを恨むようになっていた。

毎日毎日、社長は会社にきても仕事の合間には萩原空と一緒に奥さんのことを話す。

そのたびに私の心はどんどん黒く染まっていった。


奥さんから社長を奪いたい。

社長には秘書の自分が似合う。

家にいて何もしない奥さんよりも、私のほうが社長を支えられる。

奥さんよりも私のほうが社長を幸せにできるに決まってる。

社長も奥さんより、私のことが好きに決まってる。


社長も迷惑してるわよね。

何もできない奥さんが傍にいるなんて。

私が社長から奥さんを引き離してあげる。


愛叶さん、社長は私が貰います。
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