過去恋に今の鼓動を重ねたら
自分で自分に言い聞かせて、アルバムを閉じた。片付けを再開させる。閉じたアルバムはあとでゆっくり見ようと仕舞わないで、テーブルに置く。

片付けを再開させたものの、頭の中は真島くんとの出来事を思い出していた。


「河原さん、よろしく」


「うん!こちらこそ」


席替えをして隣の席になったとき、屈託のない笑顔で挨拶をする真島くんは好印象を与える人だった。同じクラスになって、数ヶ月経っていたけど、今まで席が離れていたから、まともに話をしたことがなかった。

だから、真島くんのことをあまり知らなかった。2年の時に転校してきたことしか知らなかった。

でも、転校生とは思えないほど、みんなに溶け込んでいた。明るい性格だったからだと思う。


「ねえ、河原さんは何の教科が得意?」


「え?えーと、国語かな」


「やった!俺、国語苦手だから、分からないとこを教えてね。でさ、俺、数学が得意だから、もし苦手だったら、教えてあげるよ」


「あ、うん。数学、苦手なんだよね…ありがとう」
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