はるのリベンジ
そして、お馬が終わった梅が、会いに来た。
はる「東行先生。今日は、何を、教示・・・。」
東行「お前どこか、悪いのか?」
はる「いえ。特には。」
東行「先日、小川と月隈に会った。お前が病だと言っていた。」
はる「あぁ。あの・・・。俺、最近、おかしいんです。東行先生の事を考えるだけで、胸が苦しかったり、嬉しかったり、東行先生が芸妓と仲良くしてるところを見ると、胸がモヤモヤしたり。たまに、ボーッとしてると月隈先生にも注意されて、それで、小川の父に、相談したら、東行先生に聞けって・・・。」
俺は、とっさに口に手を当てた。ダメだ。ニヤケてる。
コイツ・・・。俺に、惚れてるのか・・・。
それが、何とも嬉しく思っている自分の気持ちにも気付いた。
そうか・・・。俺も、コイツに惚れてるのか・・・。
そう思うと、触れたくて仕方なかった。
俺は、梅の顎を掴み、至近距離で囁く。
東行「それは・・・。恋煩い。お前は・・・。俺に、惚れてる・・・。」
そう言うと、梅は、目を見開いて、
はる「こっ、こっ、こっ、恋ぃぃ!?」
東行「ふっ。お前は、鳥か?」
はる「お・・・。俺が、東行先生に惚れてる・・・。そうか・・・。だから、こんな気持ち・・・。」
俺は、梅を抱き寄せる。
至近距離で見つめ合う。
はる「と、東行先生が、格好良く見えます。」
東行「そうだろう。俺は、元々、格好いいからな。」
はる「本当は、そんなことない!って言いたいのに何とも言えません。」
梅の髪を梳き唇を重ねる。
今まで、何度も、身体を重ねてきたが、気持ちも重なったと思うと、身体の奥底からジワジワとくすぐったい気持ちが、湧き出る。
俺の腕の中で、甘い声を出す梅を見ていると、もっともっとと望んでしまう。
そして、俺は無意識に口を滑らせてしまう。
東行「俺に、抱かれている時は、俺を春風と呼べ・・・。」
はる「春風様?」
東行「あぁ。俺の諱(いみな:実名)だ。お前と同じだな。」
はる「はるかぜ様・・諱・・・。名字は何と?東行先生のお名前は何と?」
コイツは、俺のことを知りたがっていた。
口付けながら答える。まるで甘い尋問を受けているようだ。
東行「俺の名は、高杉 東行。前は、晋作だ。お前と同じ、長州藩出身だ。」
すると、バッと離れ、固まっている。
はる「高杉 晋作様・・・。もしかして・・・。藩主世子様の小姓をされていた・・・?」
東行「ふっ。おなごのくせによく知ってたな。」
すると、俺から、いきなり離れて、土下座した。
はる「父上が、よく話していたもので・・・。す、す、す、すいません!!!私のような身分の低い者がっ!高杉様にお目に掛けて頂くような身分ではないのに・・・。好意を持ってしまいすみませ・・・。」
俺は、謝るはるの腕を引っ張り、口付ける。
東行「それ以上、言うな。こんな時に、無粋な奴め。」
はる「でも、私のような・・・。」
まだ、身分を気にする、はるに口付けた。
そっと唇を離し、自分の想いも告げる。
東行「俺も、どうやら、お前に、惚れている。多分、お前が、俺に惚れるより前から・・・。いいか?身分のことを気にするな。今度、それを言ったら、復讐を止めさせて長州に帰って、妾にする!二度と、外に出れないように、屋敷を作って、囲うからな!わかったか?」
はる「はい・・・。ありがとうございます。春風様。俺・・・。」
東行「もう一つ。抱かれてるときは、女に戻れ。はるを抱きたい・・・。」
すると、はるは、俺の背中に手を回し、ギュッと抱きついてきた。
見つめ合い、どちらともなく、唇を重ねた。
心が、重なってからの初めての接吻に心の臓が掴まれたように、苦しくなる。同時に甘くくすぐったい気持ちが心を満たした。