はるのリベンジ
私は、梅之助の格好で先生の小姓として動く。
今の長州藩は、ボロボロだ。外国からも睨まれて、幕府からも睨まれている。
危機感を持てと言う先生の意見は、なかなか、受け入れてもらえないようだ。
後で桂様に聞くと、先生は、藩の為に、京の情勢を桂様達から伝えてもらうため迎えに会いに来たのに、それを藩側は役目を放棄したと捉えられたらしい。
そこで、東行先生は、新しく、見る人、土佐浪士の中岡 慎太郎様、宇都宮浪士の広田精一様と共に、薩摩藩主、島津 久光様を暗殺すると企てていた。それで、玉砕をして、自分の誠意を表して、藩の危機を救おうとしていた。
先生は、一心に主君のため頑張っておられるのに・・・。
それで、飲んだくれているのか・・・。
しかし、もし、薩摩藩主様を暗殺となれば、私は、どうしたら・・・。
そして、私はひと月ほど東行先生の側に一緒にいた。
東行先生の元には色々な方が来て薩摩の島津様の暗殺を止めろと言われている。
東行先生は、今にでも、攻撃を仕掛ける勢いだし・・・。
そして、3月も少し、過ぎた頃、東行先生は、しぶしぶ、帰る決意をされた。
東行「明日、帰る。」
東行先生は、私に口付けながら言う。
東行「はる・・・。お前も一緒に帰るか?」
はる「私は・・・。このまま帰ると後悔すると思います。人まで斬って成し遂げようとした事ですし・・・。」
東行「そうか・・・。では、また、少し離れる事になる・・・。」
ギュッと抱きしめられる。この腕の中に居れれるのであればどれだけ幸せか。
私も、先生の背中に腕を回して、胸に顔を埋める。
次の日の東行先生が出発するギリギリまで、抱き合っていた。
はる「春風様・・・。お気をつけ下さい。」
東行「あぁ。はるも、気をつけろ。お前は、お前の事だけを考えろ。わかったな?」
はる「はい。」
そうして、私達は、何度目かわからないしばしの別れの口付けを交わす。
久坂「オイ。高す・・・。ってお前、もう行くぞ?吉田から聞いてたけど、本っ当に惚れちゃってるんだなぁ・・・。ったく。いつまで、まぐあってるつもりだ。早く着替えろ!」
慌てて、着物を着て、忙しい別れになってしまった。
まぁ、今回は、東行先生が島津様の暗殺を止めてくれて良かった。