艶麗な夜華
心底愛した人
乱れたあたしの髪の毛に指を通す恭也。


「恭也……ありがとう。


なんか独りぼっちで寂しくて……


お店の子達とはうまくいかないし……


気持ちがね……壊れそうで。


あたしは恭也みたいに強くないから……」



恭也はあたしから目をそらすと、


静かな声で話す。



「強くいるって事は弱い人間よりも、


いつ気持ちがぶっ壊れてもおかしくねんだよ」



「恭也が……そうだって事?」



「さぁ~な」



何処となくその表情は寂しく、


それは時々恭也が見せる顔。



「ねぇ恭也……あたしに恭也は……守れないの?」


自然と口から出た言葉。


でも恭也はそれを鼻で笑う。



「フッ…笑わせるな。


俺はお前なんかにどうこうできるような男じゃねぇよ。


お前程度の女、俺の足手まといになるので精一杯だろ」
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