恋のメロディー
「うんっ、そうだね。ありがとう美鈴ちゃん。」

加代は嬉しそうに笑った。

二人はそれぞれの練習場所に戻った。



練習場所に行く途中、美鈴は神崎に会った。

「陸っ。」

美鈴と陸は幼なじみだ。

「おうっ、美鈴やん。久しぶりー。」

「あのさ、加代に告ったんやん。」

「えっ!!知ってんの?」

陸は焦りだした。

「うん。加代に相談されたよ。」

「マジかよ・・。はぁ、明日まで待てねえ・・・。」

美鈴は陸の不安そうな顔を初めて見た気がした。

いつも自信いっぱいの陸でもこんな顔するんだ、と美鈴は思った。

「陸、自信持ちなよ。大丈夫だって。」

美鈴は陸に肩をたたいた。

「そうだよな。よしっ、元気だすわ。ありがとな、美鈴。」

「その意気やで。」

陸は大きく息を吸った。

「美鈴も頑張りや。」

「えっ!!。うん。」

そういうと陸は走っていった。

陸が言ってしまうと美鈴は一人で笑った。

「陸でもあんな弱気なんだー。あはは。」

美鈴は再び練習場所へと向かった。



「あっ、音羽先輩遅いじゃないですか。」

「ごめんごめん。ちょっとね。」

後輩の菜子が言った。

「早くパート練しましょうよ。」

「うん。やろっか。」

一年生の優衣も呼んでパート練を始めた。

美鈴はフルート担当だ。

今は夏のコンクールに向けて練習している。









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