ダンデライオン
ギクッ…と、私の躰が震えた。

うん、あるよ…。

だって私、板前見習いの年下男子と結婚を前提のおつきあいをしているんだもん…。

「アサちゃん?」

もちろん、忍兄ちゃんには朔太郎のことを話すつもりだよ?

「まあ、いいや」

忍兄ちゃんが言った。

えっ、何がいいの?

そう思った私に、
「今は待つよ。

アサちゃんが俺と結婚をするって言ってくれるまで」
と、忍兄ちゃんが言った。

私の手からスプーンが落ちそうになった。

私が忍兄ちゃんと結婚するって言ってくれるまで待つ、ですって?
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