ダンデライオン
「忍がどこで、誰からこの事実を聞いてしまったかはわからないけど、忍が成人したらちゃんと話をするつもりだったんだ…」

おじさんは泣きながら言った。

「忍と血が繋がっていなくても、私は忍を本当の息子として深く愛している…。

その事実だけは、本当だ…」

おじさんはグスグスと子供のように泣きながら話を続けた。

忍兄ちゃんの出生を知ってしまった私は、泣いているおじさんをただ見つめることしかできなかった。

話が終わって広場を出ると、おじさんは家まで私を送った。

心配していたお父さんとお母さんに、おじさんは事情を説明した。

ただし、広場で話をしたことは除いて。

私はおじさんの約束通り、忍兄ちゃんと仲良くした。

だけど、私の中の忍兄ちゃんの存在が“何か”に変化をしようとしていることに気づいた。

それが何なのかは、よくわからない。

 * * *
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